お茶会(ドロレス/FE風花雪月/R-18)

「ドロテア 、おいで」

その声は不思議。その声で呼ばれたら、幕を開けて始まる華やかな音楽が掛かった様に世界が輝いて見える。

「あら先生」

自分の声が自然と高くなる。嬉しい証拠だ。

「さっき市場でアップルティを手に入れたんだ。お茶会でもしない?白鷺杯も優勝してくれたし、ご褒美を込めて」
「本当ですか?嬉しいです」

先生が担任教師に着任してもう半年以上は経つ。その浮世離れしたミステリアスな雰囲気を常に醸し出す先生は初めは冷徹な印象があったが意外と親しみやすい性質で、加えて優秀な指揮と技能によって今やガルグ=マグでは人気者だ。
生徒にも距離を近づくためお茶会を開こうと慣れない手つきで紅茶を淹れていたのが懐かしい。初めて先生に淹れてもらった紅茶は熱くて飲めたものじゃなかった。
軽く腕に自分を巻きついて、170cmの私より少しだけ低い肩に頭を乗せて甘える。先生も私も目立つ方だから周囲の視線が集まるけど気にしない。そんなことより、先生ったら、こんなに綺麗で魅力的な歌姫がこうして甘えてるのにどうしたらこんなに平然としていられるのかしら。
林檎の茶葉が彼女の腕の中から漂って、好きな香りが鼻腔を擽る。混じるバターの香り。この匂い、スコーンかしら。腕に抱きつきながら街を歩いていると、偶然エーデルちゃんに会って、嫉妬されたけど、歌姫は嫉妬される生き物だもの、仕方ないわ(ものすごく怖いけど)。

仲良くなると、先生の部屋でお茶会が開催される。招待されると、自分が特別な気分になる。
特別。それは私にとって、甘美な響きだ。

「適当に座って。準備するから」
「いつも綺麗ねぇ。先生の部屋は。落ちつくわ」
「ありがとう。何もないだけだけど」
「そんなことないわ。ねぇ、先生。手伝うことある?」
「いいよ。座ってて、ドロテア」
「はぁい」

そう答えてベッドの上に座り、行儀悪くごろりと横たわる。私たちはすこぶる仲の良い先生生徒関係なので、先生も特に気にせず、お湯を沸かしている。だけど、完全放置な訳ではなくて、時々意味ありげな目線を私に向ける。目が合うと、先生は特有のポーカーフェイスを貼りつけたまま極自然な所作で自分の集中していることに意識を戻す。
初めは何もかも丸裸にされそうな視線が苦手だったが、先生に苦手だと正直に告白すると、その回数は減った。自覚はなかったと言う先生は本心そのものの様子で、無意識な行動か、私の自意識過剰かどちらかだった。
だけど、私が推察するに、先生は私のことをよく見ている。きっと先生自身はその視線の意味に気づいていない。私が気づかせないといけない。

「おまたせ」

チェック柄のクロスにケーキスタンドを置き、その中にスコーンとサンドイッチが綺麗に並べてある。スコーン用の苺ジャム、蜂蜜とクロテッドクリームも別のお皿に添えて、その隣にアップルティーが良い匂いを醸しながら用意してあった。
向かい合って座り、先生は「おめでとう、ドロテア 」と祝ってくれた。先生の紅茶の淹れ方は今やかなりの腕前で、最近は紅茶関連に煩いフェル君やローレンツ君も唸らせる程だとか。先生曰く生徒と交流するために覚えただけとのことだが、持ち前の凝り性が発揮されたみたいね。

「温かい」

感想を込めると、先生の顔が柔らかくなる。先生のことをあまり知らない人は無表情の印象が強いかもしれないが、よく観察するとそうでもない。僅かに喜怒哀楽の動きがちゃんとあるし、意外とお茶目なところもあって楽しい。勿論頼もしくもある。女同士でこんな気持ちにさせるなんて、先生は本当不思議な人。

「先生、最近私のことよく誘いますね、私に会いたかったんですか?」
「…そうかな」
「ふふ、先週末も誘ってますよ。私がアップルティ好きなことも私より先に気づいちゃうし。よく見てますよね、私のこと」
「え、ドロテア好きでしょう?」
「ええ。私ってよく他人に好みを合わせちゃうから本当に好きなものってよくわからないんです。しかも、孤児だったから食べれば同じという考えなので」
「そっか」

照れる先生は可愛い。この照れも見る人によっては無反応に感じるだろう。もったいないわ。こんなに可愛いのに。

「ふふ、私、やっぱり先生のこと好きよ」
「ドロテア、私まで誘惑する気?」
「誘惑?そうねぇ、先生がいつまでもそんな態度なら誘惑するわね」
「え?どうゆうこ」

と、と先生が紡ごうとする言葉を私はテーブルの上に身を乗り出して奪う。先生の深海の様な瞳は僅かに大きく開いて、私を写す。ゆらゆらと波の様に静かに揺れる自分自身を先生の瞳の中から見つめる。少々乱暴だが、先生が抵抗しなかったことは私のヤマは当たっているかもしれない。

先生は私のことが、すき。

程度はわからないが、好意は持たれている。先生は弱味なんてないと言う。なら、弱味がないなら作ればいいじゃない。
抵抗しないのをいいことに、またもう一回、口付ける。今度は深いところまで。舌を口の中に入れて先生のそれと絡める。先生を右手で引き寄せて、左手を端正な顔に添えて固定する。舌と舌が絡まりアップルティの味が混ざっていく。先生ったら目も閉じない。静かに一生徒の行為を静観してるみたい。先生の目には今私がどう映ってるかしら。ただの淫らな生徒?痴女?ただの歌姫の時代を終えて必死に伴侶を探す惨めな女?その視線に背筋がゾクゾクして下半身にかけて感覚が走る。私は耐えられず目を瞑り先生を続けて堪能する。先生の中は温かくて、気持ちいい。

「んん、ふっ、はぁ」

吐息が可愛い。男のそれとは全く違う。優しく顔を離してまた元の様に座り、先生を観察する。浅い息を繰り返しながら豊かな胸を上下させて、だらしなく開かれた口許から混じった唾液が垂れる。その姿は酷く扇情的で私は口の端を軽く舌で舐め、唾液を飲むこむ。

「先生って本当に私のこと自由にさせてくれるのですねぇ」
「ドロテア、これは…?」
「不純同性交遊?」
「そうじゃなくて」
「いやでした?」
「いや、じゃないけど」
「ならいいじゃないですか。私が先生が好きで、先生も私が好き。合意のもとでしょう」

私は席を立って先生のもとに近づく。先生の手をそっと掴み、私の胸元に当てる。

「ね、先生、私ドキドキしてるでしょう?」

静かに僅かに照れをみせながら頷く先生に柔らかく微笑む。

「触って、先生」

ゆっくり揉まれる胸に少しじれったさを感じながら、先生の座る椅子に手で支え、またキスをして舌を絡める。

「ん、んん…」

敢えて制服の胸元とインナーをはだけてあげると、先生はその上から手を入れて直に触ってくれる。硬くなった乳首を触られ、私はいよいよ耐えれず、先生の太腿に跨り座る。先生はあまりにも繊細に触るものだから焦ったさに股間をショーツ越しの先生の太腿に少し擦り付ける。先生は私の胸の感触が気に入ってくれたみたい。両手で夢中になって揉んで、時には親指で乳首を弄ぶ。そこを触られる毎に私が軽く喘ぎ、先生の太腿に擦り付けることに気づいたのか、先生は乳首を中心に触る様になった。

「あっ、あっ、はぁん!」

弄る毎に私は身体を跳ねて、先生を煽らせる。そうして、そこが正解だと教え込んでいく。側から見たら、若くて美しい生徒を襲う先生かしら。セテス先生に怒られそうね。私が先生に無理やり…と泣きつけば最悪先生が解雇処分かしら。そんなこと絶対しないけど。
ブラジャーのホックを片手で外し、窮屈だった乳房を曝け出すとインナーを下げて先生の口元に差し出す。先生は導かれるように唇を開き、尖ったそれを口に含む。

「んっ、あんっ、あぁっ」

先生の舌が乳輪を舐め、啜り、甘噛みする。左手では別の乳房をを優しく揉む。私は両腕で胸に夢中な先生の頭を包み、私の声がよく聞こえるように耳元で喘ぐ。喘ぐ毎に先生の肌が興奮するのがわかる。先生の身体は素直ね。
スカートの下から下着を脱いで、直に先生の太腿に擦り付ける。

「ドロテア、濡れてる。しかもかなり」
「誰のせい?」
「…」
「責任取ってね、先生」

次は先生の右手を掴み、スカートの中に導いていく。戸惑う先生の頬にキスして、「先生、挿れてみて?」と誘惑する。遠慮がちに入っていく長い指を手で掴み道具のように出し入れさせる。

「あん、あっ、あっ、あぁっ!そこ!!」

先生の指が丁度奥のざらつきに触れて、大きく震える。先生は戦闘時と同じで一瞬を見逃さない。一度そこが私の弱点だと把握すると、その部位を重点に攻めていく。

「ああっ!あっ!せんせっ!イイッ!!」

私は身体全体で先生に抱きつく。制服が皺になってしまうけど今はどうでもいい。沸き上がる感覚が上り詰め、鼓動が早くなり私の中は先生の指を律動的に締めあげる。先生も私の興奮に呼応して、手の動きをやめなかった。

「ああっ!!」

高い嬌声と共に私は達する。ドクドクと心臓が鳴り、身体が弛緩し、太腿が定期的に震える。先生は指を抜き、私が落ち着くまで抱き締めてくれた。こっそりと耳元を先生の胸に当てたけど、やっぱり全く鳴ってなくて、少し寂しかった。

「先生、良かったわ。すっごく」

両腕を首に絡めてキスをする。

「お返し上げようかしら?」

先生の手を取り、立ち上がらせて、ベッドまで連れて座らせる。これ以上皺になるのが嫌で制服を脱いでいく。先生が私の一挙一動に静かに興奮して視線が釘付けになっているのに気づき、踊り子ように焦らしながらゆっくり一枚一枚脱いでいく。その視線にまた私も熱くなる。先生に見られてるだけで、堪らなく我慢できない。
先生のスカートと下着を脱がすと、その陰部はすっかり濡れていて私は嬉しい気分になる。そういえば、女性器をこんな近くで見ることは初めてだ。薄く手入れされた毛の間に数層の襞が左右対象に奥を隠す。指で左右に広げると、ピンク色の陰部が愛液を分泌しながらヒクついている。使い慣れてなさが見れて、とても綺麗。後で毛の処理してあげたい。その中心に口付ける。匂いがしないところは買い物前にシャワー浴びていたのかもしれない。

「ドロテア、汚いからやめて」
「なぁに、先生のココ、綺麗よ?とっても」

指を唾液で濡らして上の突起部を擦っていく。先生は仰け反って感覚を耐える。

「ん、あっ、んんっ」
「先生、我慢しないで」

柔らかい脚の間に入り、顔を埋めると、濡れて赤く腫れた芽を舐めていく。ピチャピチャと卑猥な音が部屋に響き淫猥な空間が形成される。先生は気持ちいいのか私の頭を軽く掴む。視線を上げると、興奮で濡れて快楽に委ねた目が私を求めている。

「ああっ!あっ!!ドロ、テアっ!」

先生は意外と感度がいい。すぐイキそう。凄く可愛いけどまだ物足りないわね、と思ったところで、部屋のドアからノックする音が聞こえた。

「先生?」

この声は級長のエーデルちゃんね。先生の膝が感覚にガクガク震え擦り合わせながら耐え、健気に必死で腕を噛んで声を漏らさないようにしている。
私も一瞬焦るが、部屋に入る前にちゃんと鍵を掛けている。その情報を知らない先生はこの状況にひどく焦っているのだろう。
それに先生は見る限りエーデルちゃんにも特別な思い入れがあるみたい。少し嫉妬しちゃうから悪戯しようかしら。

「おかしいわね、声が聞こえた気がしたのだけど」

先生は可愛らしくバレないように浅く小さな呼吸を繰り返している。悪戯心から舌を舐める行為を再開させる。チロチロと突起を舐めてあげる。信じられないという風に先生は私を見る。

「ん、んんっ、やぁっ、んー!」

首を振りながら止めてと懇願する先生に流石に可愛いそうで動きを止める。先生の安心も束の間、エーデルちゃんが勘良く動き出す。

「先生?」

ガチャリ、とドアノブが回る。その瞬間、先生は硬直する。陰部が興奮と焦りでヒクヒクする回数が増す。太腿が緊張し、汗が次から次へと浮き出す。最早敏感になった全身は直ぐに絶頂に到達するだろう。その一瞬、時が止まるような感覚を覚えた。

「…ドロテアの、意地悪」

その後先生はエーデルちゃんに見つかるかもしれない羞恥で絶頂にきたした。その際の喘ぎ声は即座に先生が枕を噛んで抑えられ音漏れは免れた。先生は身体をビクビク震わせ、誰もいないことを確認したエーデルちゃんの足音は遠のいていった。

「鍵掛かってること知ってたでしょ?」
「ふふ、バレました?普段焦らない先生を焦らせたくてやっちゃいました」
「意地悪だ」

でも、どうしてドアを見てないのに鍵が掛かってることに途中で気づいたのかしら。ベッドから見えない位置なのに。やっぱり先生は不思議。

「ごめんなさい、先生」
「許さない。ドロテアがこんなに意地悪な子とは思わなかった」

プイッと拗ねる先生を後ろから抱きついてキスして宥める。先生も拗ねちゃうのね。

「これで先生の弱味は、私」
「既成事実作ったの誰」
「ふふ、わ、た、し。先生、また私が別の男と遊んで人を見透かしてくる視線を送るなら、また弱いところを徹底的にいじめてあげる。今度は泣いても止めてあげないわ」

指で陰核を擦り上げると、先生が軽く跳ね、喘ぎ声を上げる。溢れた愛液を掬い、先生に付着した指を舐めさせる。生徒の指を丁寧にしゃぶる先生は天然故かその意味を知らない。

「見てないし、泣かない」
「先生がそう思っても私が感じるの。泣いたことないなら、泣くまでしてあげる。だから、私をしばらく自由にさせてね」

私は頬に唇を寄せる。私の運命の相手はこの人なのかもしれない。だけどまだ信じられなくて、試したくて、本当は先生の本命はエーデルちゃんかもしれないと思うと怖い。

「楽しかったわ、またふたりだけのお茶会しましょうねぇ、先生」

どんな選択をしても私をひとりにしないでね、先生。

END

(おぬしおぬしおぬしーーー!!天刻の拍動をこんなことで使いおって、けしからん!!)

2019年11月10日 pixiv掲載

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